「ミン・ウォン展 私のなかの私」(銀座・資生堂ギャラリー)での映像インスタレーションに参加しています。

シンガポール出身でベルリン在住のアーティスト、ミン・ウォンさんが手がけた新作の映像インスタレーション「私の中の私」が、東京・銀座の資生堂ギャラリーで公開されています。ミン・ウォンさんは、ワールドシネマを題材にリメイクという手法でのビデオインスタレーションを発表し、2009年のヴェネチアビエンナーレ以来、大きな注目を集めているアーティストです。今回日本映画を、①歌舞伎舞踊/時代劇、②現代劇、そして③アニメという三つのエポックで構成し、それぞれにおいて典型的なシチュエーションや人物像を、自作自演のトレーラーというフォーマットを用いて撮影・編集し、映画撮影の構造やトリックが明らかになるようなメイキングのビデオと対峙させながら、映像インスタレーションを構成しています。私はその①歌舞伎舞踊/時代劇のパートにおいて、ミンさんの舞踊の動きの振付・コーチングを担当しました。日本映画史は、もともと歌舞伎の舞踊劇の撮影から始まったといわれますが、今回のミンさんの作品では、女形をはじめとする日本の伝統芸能のジェンダーコンストラクションや世襲、ナショナリティといったアイデンティティの問題、舞台芸術での動きと言葉(振りと文句)の関係を、ユーモアを交えながらも、批判的に受け継いでいます。展覧会はフランス・リヨンビエンナーレにも巡回しますが、日本では9月22日まで開催されていますので、お近くにお寄りの際はどうぞ足をお運び下さい。

 

「ミン・ウォン展 私のなかの私」

2013年7月6日(土)から9月22日(日)

銀座・資生堂ギャラリー

〒104-0061東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階

Tel:03-3572-3901 Fax:03-3572-3951

入場無料